理数系教科マネジメントコース[理科]では、「理科が好きな子どもを育てるには、先生自身が理科好きであってほしい」という理念のもとに,理科の魅力や楽しさを堪能できる教育研究を行っています。身近な現象から、原理や法則が支配する興味深い世界へ広がっていくさまを子どもに教え、小・中・高校でも理科の教育を担える人材を送り出したいと考えています。
「理科」という科目では、特にその系統性が重視されます。そして、その系統性に対する深い理解と教育課程の趣旨を捉えた授業を創造する力に加えて、理科教育の観点から授業を解釈・評価・考察していく力がカリキュラムマネジメントに必要となります。そのため、本コースでは、教科専門と教科教育を融合する教材研究・授業開発に焦点を当てたカリキュラム構成となっており、それにより理科教育を担う人材を育てることを目的としています。
また、「主体的・対話的で深い学び」を実現し、「探究活動」における指導力を向上することを目的とした講義・演習を実施してます。これらは単なる知識の伝達ではなく、児童・生徒の考える力・思考力を引き出す探究活動の指導についてのレクチャーと、1校時の模擬授業や課題研究の指導力向上に特化した演習により、実践的な指導力を培います。
一般の大学院では、修士論文を提出して合格しないと修了することはできませんが、本コ ースを含めて本学の教職大学院では修士論文を課しません。それに代えて、教育実践研究報告書を提出していただきます。これは、教科専門および教科教育の理論だけでなく、より実践的な研究を重視する教職大学院の特色ともいえます。教育実践研究報告書をまとめる際には、物理学(運動とエネルギー)、化学(物質と反応)、生物学(生物と生命)、地学(地球システムと地球史)に関わる内容から課題を見出したり、授業実践での体験や成果を活かしたりすることもできます。