修論執筆を振り返って
藤井 三和子 (2016年3月)
修士論文タイトル 高校生の友人関係の特徴とアイデンティティ発達との関連

【どうしてこれに着目したのか】

 高校の教員として長年勤め、そのほとんどは担任として、生徒たちと関わってきました。 大学院で学ぶにテーマにするなら、高校生が日々悩み、求め、そして、 彼らにとって一番身近な友人関係を考えたいと思ったことがまず、最初でした。 日々の関わりの中で感じていることを研究という形でまとめたいと考えました。 しかし、友人関係だけの研究にはしたくなかったので、青年期の自己形成や自己論にも関心を向けました。 色々な先行研究を読んでいく中で、友人関係と何を関連付けて考えるかを本を読んだり、 中間先生に助言していただく中で悩みました(この過程はかなり苦労しました)。 最終的に、アイデンティティ発達との関連を考えることで、友人関係のどのようなかかわり方がアイデンティティ発達に関連するかに着目しました。 アイデンティティという言葉は高校生でも知っていますが、それが何を意味するかを理解したり、自分の言葉で語ることは難しいことです。 この修論をきっかけにそんなことができように、今後も問題意識を持ちながら学び続けていきたいと思っています。 高校生のアイデンティティは発達していきまし、そのアイデンティティは関係性の中で発達します。 その関係性として、高校生にとっては、友人関係が一番身近なものだと思っています。 アイデンティティの発達にとってどんな友人関係が関連しているかを知ることで、教師として、 これからの自分をどう作っていくかを生徒たちとともに考えていけたらいいなあと思っています。 アイデンティティの発達という、大学院へ来るまでは考えなかった視点での、生徒と関わりを今後も学んでいきたいと思っています。

【苦労したこと】

 修論を執筆していく中で、技術的な面では、まず、パソコンの扱いになれておらず、 文字や図表の編集で何気ないことがうまくいかず、時間がかかりました。 出来上がった今では、これまでできなかったことが、ずいぶんと上達し、 今後の教員生活で役立てることができるので、満足しています。  
論文を書く上では、論理的に文章化することが難しく、頭ではイメージできていることが、 なかなか文章化できなかったです。 特に、問題意識は頭の中のイメージがなかなか思い道理に書けず苦労しました。 しかし、長い期間悩んで、考えたからこそ、そこから得るものは大きかったように、終わってみて感じます。 苦労したことはいっぱいあったはずなのに、修論が完成したあとでは、達成感の方が強く、苦労の感覚は消えてしまったのは不思議です。

【執筆を終えて自分なりに満足していること】

12月提出の翌日から、見直しを重ね、何度も書き直しをして、2月の最終提出の時には自分なりに、 納得のいく形にすることができました。 内容はともあれ、修士論文を書くということがどういうことか学ぶことができました。 また書き進める中で、最後の最後にアイデンティティ発達と進路決定の関連についての考察を考えた中で、 中間先生に何度も助言していただいていた意味がすっと理解できました。 学校現場に戻っても、研究していきたいテーマが見つかりました。 これは問題意識をうまくまとめることができず、ずっと頭から離れない状態で、 考え続けていた結果でもあるのかもしれません。 必死で考えて、文章にしていく作業から、得た論文作成のノウハウは中間先生の数々の言葉と共に頭に焼き付けることができました。 これは高校教師である私にとっては大きな財産となりました。高校生に還元できる財産です。

【後輩へのメッセージ】

 修士論文を書きあげるというのは、大学院の講義を受けたり、レポートを書くこととは全く異質のことです。 修士課程を修了するということは、その論文を書くトレーニングを受けたということだと表現している本がありました。 中間ゼミではまさに、この論文作成に関して、この上ない指導をしていただけます。 書いている時には、終わりあるのか、自分が何を書いているのかわからなくなることもあります。 何度も書き直すことがあると思いますが、 完成後の達成感はとても大きく、晴れやかな気分になるでしょう。 苦労して、粘って納得のいくものを仕上げてください。 修論は書き終わらなければ、分からないことがありますよ。   


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