修論執筆を振り返って
青平(2017年3月)
修士論文タイトル 中国内モンゴル人青年の民族アイデンティティの諸相
―出身民族への所属意識と行動面での表出をめぐって―

【どうしてこれに着目したのか】

 私の研究テーマは「中国内モンゴル人青年の民族アイデンティティの諸相――出身民族への所属意識と行動面での表出をめぐって」です。 このテーマを選んだ理由は、以下の2点であります。
 @私は中国の国籍を持つモンゴル人です。言い換えれば、中国の少数民族の一員として中国政府に扱われている者です。私のような少数民族というのは中国においては55個ありますが、人口数が合わせて1割も満たない(中国では9割以上は漢民族)です。私は、このようなマイノリティとして生きている人々の中で、「自分が何人であるか」という問いに対してそれぞれ違う形で提示していることに気づき、このような現象に深く興味を持ち、このような現象の背後にある原因について追求したかったです。
 A「アイデンティティ」ということばにそもそもとても惹かれています。

【どんなことに苦労したのか】

 論文を出すまでのすべての段階で苦労しましたが、振り返ってみると、一番苦労したのはやはり「問いを立てる」ことだと思います。なぜならば、「何を明らかにしたい」という点は最初から最後まで考えなければいけない問題であり、『永遠』に悩むことだからのです。
 ある問題に焦点を当てることができるには、それと関わる先行研究をしっかりと把握することが必要とされます。先行研究をある程度把握することができていないと、自分の課題も見えて来ないと思います。研究を階段に関連して例えると、過去の研究の『すべての階段』を上らないと自分の『新たな階段』を築くこと(発見すること)ができないです。先行研究という壮大な建物を上る、それを踏まえて新しいものを発見することは極めて辛いです。怖いです。しかし、上らないといけないというのも事実です。

【執筆して自分なりに満足していること】

いい論文を出せることができなかったとは思いますが、困難を乗り越えて、論文を出したこと自体に『満足』しています。

【後輩へのメッセージ】

修論を書くことによって、前と違った自分を鍛えることができるのでしょう。中間先生から教えて頂くこと、先生の考え方、やり方を真似していくこと、他のゼミ生と交流すること、自分が苦労して学ぶこと、考えることなどを通して、大きく成長することができます。


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