修論執筆を振り返って
南山 晃生 (2022年3月)
修士論文タイトル 児童の思考力に関連する学習行動と動機づけについての研究
―課題解決的な学習を学びの充実につなげるために―

【どうしてこれに着目したか】

 友だちから反対や批判など困難なことが予想されても、自分が大切だと思うことはしっかりと自分の考えを表明できる子どもを育てたいと常々考えていました。自分の行動や発言がどのような影響を与えるか予測し、自分や周りの状況を捉え考え判断し行動することのできる子どもを育てたいと思っていました。これらの力は、授業を通して育成することが大事だと考えていました。一方、改訂された学習指導要領では、「主体的、対話的で深い学び」の授業を実現することが求められています。このような問題意識から修論を作成しようと考えていました。
 これからの授業では、子どもたちが主体的に学習に参加することが大切です。そうした授業を行うことにより、知識・技能だけでなく思考力・判断力・表現力を育成し、その結果として、関心や意欲、態度が育つものと考えます。そこで、子どもたちの実態を把握するため事前調査を行いました。その結果から授業における思考力と学習行動、動機づけの関係について検討することを修論のテーマにすることにしました。

【苦労したこと】

 実際に論文を書くためには、テーマ設定が重要ですが、漠然とした問題意識から、追究する課題として設定るすることが難しかったです。次に苦労したことは、先行研究の論文探しです。テーマが明確にするのに時間がかかったので、様々な論文に当たったのは、勉強になりましたが、心理学用語や心理統計学の知識が十分ではなかったので、内容の理解に大変苦労しました。次に、執筆にあたって、自分の言いたいことを明確にするため、どのように論文を構成すればよいかが難しかったです。また、自分にとっては自明なことも人に説明するとなるとていねいに論述しないと通じないことを学びました。実際には大いに過不足はありますが、過不足なく記述することに苦労しました。

【執筆を終えて自分なりに満足していること】

 まず、先生からしっかりいただき、最後まで論文を書き終えたことには満足しています。また、同じゼミの方々と内容の深めはできませんでしたが、一緒に論文執筆という活動に取り組めたことは心強かったです。内容についても、経験的に感じていたことが、自分が行った調査で確かめられたということは嬉しかったです。しかし、もっとここを深められたのではないか、得られた結果から、こういうことも言えるのではないかなど、まだまだ検討の余地はあると思っています。かと、言って時間があればできたかというと答えは否です。ここまでが、今の自分の実力でということが明らかになったこともよかったと思います。

【後輩へのメッセージ】

論文の作成には苦労することがたくさんありますが、書き終えると達成感を味わうことができます。これは、中間先生がおっしゃっていたことですが、とにかく一度書いてみることが大事です。書くことは、考えることです。書いてみると何がわかっていて何がわかっていないかがはっきりしてきます。教育コミュニケーションコースには、いろいろな立場の方がおられ、テーマもそれぞれです。コロナ禍のため、いろいろな制約があり先生方、院生の方々と直接お会いして話すことがほとんどありませんでしたが、院生の皆さんは何事にも前向きで真摯な態度で向き合っておられることに感心しました。先生方も親身に相談に乗ってくださいます。どんどん自分から求めてアプローチしてください。必ず誰かが答えてくれます。


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