卒論執筆を振り返って
田原 凛子(2023年3月)
卒業論文タイトル 学校に行くことに対する義務感の研究
―中学生を対象にして―

【どうしてこれに着目したか】

 まず、ゼミに関しては不登校に関する事項を研究したいと思っていました。大学生になってから塾講師や適応指導教室のアルバイトで多くの不登校の生徒に会いましたが、自身の中学生時には学年に不登校の友人がいなかったように記憶しています。そのようなところから、教職に就こうとしている自分にとって不登校に関する支援や生徒の心情理解などに不安を感じ、テーマにしたいと思いました。その後、不登校の未然防止や支援方法、フリースクールなど様々な観点から論文を読み進め、経験などのことも踏まえて「学校に行かなければ」と強く思っている生徒が不登校になりやすいのではないかと思いました。そこから、不登校防止のヒントとなるような研究をしたいと思いこのテーマを設定しました。

【卒論を書く中で苦労したこと】

 研究として「不登校」について扱いたいという大まかなテーマはありましたが、そこから最終的なテーマ設定に至るまでにかなり時間を有しました。初めは「学校に行かなければならない」という気持ちが生徒と保護者含む大人で異なるのではないかという研究などを行いたいと考えていましたが、調査開始の遅さや難しさなどから却下、というようなこともありました。とにかく最終テーマの決定が遅かったことから研究のスタートが遅かったことにより研究・執筆を急ピッチで進めなければならなかったことが最も苦労した点です。また、先行研究の理解不足や分析時の知識不足など研究の前に補うべきことを研究中に理解していったことも効率の低下や理解の遅さにつながったとも考えています。

【卒論を書き終えて満足していること(執筆を終えて)】

 研究に関しては、期待していた結果が出た部分と解釈が難しい部分がありました。また、対象校が1校だったということもあり、学校の色が強く出たという可能性はありますが、先行研究の追跡調査的な結果であったり、オリジナルの項目の検討が行えたりしたということは研究できてよかった部分だと思っています。また、何よりも「来年度からの役に立つ研究にしたい」ということがモチベーションになっていたので、教員として働く上でのヒントとなる結果が得られたことには満足しています。  
(個人的には、統計学が興味のある分野だったので、分析の作業や検討によって理解が進むことも楽しいと感じました。まだ先生にかなりサポートをしてもらってのことではありましたが、機会があればまたこういった調査や研究に携わりたいとも思えました。)

【後輩へのメッセージ】

 現在中間ゼミ(学部)に所属している後輩には何度も申し上げておりますが、とにかく「テーマの設定」が早い方が良いと思います(教採や終活なども絡む時期で4回生の夏は何かと動けないので…)。先生は個人の興味に沿ってアドバイスや指摘をしてくださるので、いかに自分が行いたいことが自分の口で説明できるかということがテーマ決定に影響しますし、テーマ決定が早ければ調査も濃いものにできると感じています。また、先に挙げた通りに、「自分の研究が将来の自分(もしくは自分と関わる誰か)の役に立つ、学びがある」と思えることは大きなモチベーションになるのではないかとも考えています。私自身多くの皆様のご協力の元で成し遂げることができましたが、胸を張って他人に説明できる、自分の中で落とし込める研究にしてほしいと心から思っております。応援しています。頑張ってください。


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