○国立大学法人兵庫教育大学におけるハラスメントの防止等に関する規程
平成16年4月1日
規程第44号
(目的)
第1条 この規程は,国立大学法人兵庫教育大学人権委員会規程(平成16年規程第22号)第8条の規定に基づき,ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置(以下「ハラスメントの防止等」という。)に関し,必要な事項を定めることにより,国立大学法人兵庫教育大学(以下「本学」という。)における教職員の就労上又は学生等の修学上の適正な環境の確保及び利益の保護を迅速に図ることを目的とする。
(ハラスメントの定義)
第2条 この規程において「ハラスメント」とは,本学において教職員又は学生等が,他の教職員,学生等又は関係者(以下「相手方」という。)の意思に反した不適切な言動をすることにより,相手方に不快感や不利益を与える人権侵害行為及び教育研究環境又は就労環境を悪化させる行為をいう。
2 前項のハラスメントには,次に掲げるものを含む。
(1) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動(性的な関心や欲求に基づく言動をいい,性別により役割を分担すべきとする意識に基づく言動を行うことをいう。)又は固定的な性的役割の観念に基づく言動であって,相手方を不快にさせ,又は精神的な苦痛若しくは肉体的な苦痛若しくは困惑を与えることをいう。
(2) 性暴力等 修学・就労上の,地位や人間関係等の優位性に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること等の行為又は事由により,同意しない意思を形成することが困難な状況に乗じ性的関係を結び若しくはわいせつな行為を行うことをいう。
(3) アカデミック・ハラスメント 教育上又は研究上の地位を利用して,不適切な言動,指導又は処遇等により相手方の研究意欲又は研究環境を著しく阻害すること及びその職務を逸脱して精神的な苦痛,肉体的な苦痛又は困惑を与えることをいう。
(4) パワー・ハラスメント 職務上の地位又は人間関係等の職場内の優位性を利用して,相手方に対し,業務の適正な範囲を超えた言動,指導又は処遇等により精神的な苦痛若しくは身体的な苦痛を与え,又はその就労意欲若しくは就労環境を著しく阻害することをいう。
(5) 育児休業等に関するハラスメント 教職員又は学生等が,妊娠,出産,不妊治療,育児休業又は介護休業等(以下,「育児休業等」という。)に関する制度又は措置の利用に関する言動又はそれに準ずる言動により,相手方の教育研究環境又は就労環境を害することをいう。
(6) その他のハラスメント (1)~(5)に準ずる不適切な言動をいう。
(1) 教職員 役員,教員,事務職員,非常勤職員等,本学において就労する者をいう。
(2) 学生等 学生,生徒,児童,幼児,研究生,科目等履修生等,本学において修学する者をいう。
(3) 関係者 学生等の保護者,関係業者等,教職員及び学生等以外の者で教職員が職務上の関係を有する者,並びに教職員及び学生等以外の者で学生等が修学上の関係を有する者をいう。
(4) 監督者等 教職員を監督する地位にある者及び学生等を指導する立場にある者をいう。なお,教職員を監督する地位にある者には,他の教職員を事実上監督していると認められる地位にある者を含み,学生等を指導する立場にある者には教員のほか,修学上の各種の事務を通じて学生等を事実上指導していると認められる立場にある者を含む。
(教職員・学生等の責務)
第4条 教職員及び学生等は,ハラスメントのない,健全で快適なキャンパス環境を醸成し,維持しなければならない。
(監督者等の責務)
第5条 監督者等は,次の各号に掲げる事項に注意してハラスメントを防止及び排除しなければならない。
(1) 日常の執務又は授業等を通じた指導等により,ハラスメントに関し,教職員又は学生等の注意を喚起し,ハラスメントに関する認識を深めさせること。
(2) 教職員又は学生等の言動に注意を払うことにより,ハラスメント又はハラスメントに起因する問題が職場又はキャンパスに生じることがないよう配慮すること。
(学長の責務)
第6条 国立大学法人兵庫教育大学長(以下「学長」という。)は,本学におけるハラスメントの防止等に関し総括する。
(相談員)
第7条 ハラスメントに関する相談に応じるため,相談員を置く。
2 相談員は,次の各号に掲げる者をもって充てる。
ア 人間発達教育専攻又は特別支援教育専攻に所属する教授,准教授,講師又は助教 原則として男女各2人
イ 教育実践高度化専攻に所属する教授,准教授,講師又は助教 原則として男女各2人
(2) 各附属学校の推薦に基づき学長が指名した教員 各附属学校1人
(3) 事務局の推薦に基づき学長が指名した事務職員 男女各2人
(4) 学長が指名した教職員
(5) 学外の専門家の中から学長が委嘱した者
4 相談員は,人権委員会委員を兼務することができない。
5 第2項各号に規定する相談員は,再任されることができる。
6 人権委員会は,相談員の所属,氏名及び連絡方法を,教職員及び学生等に周知する。
(相談の申込み)
第8条 相談は,ハラスメントの被害を受けたとする者が相談しやすい相談員に,電話,電子メール,ファックス又は手紙により直接申し込む。
2 相談は,ハラスメントの被害を受けたとする者が匿名による相談を希望する場合を除き,面談による。
3 面談による相談は,原則として,2人の相談員で対応する。ただし,相談を直接申し込まれた相談員以外の相談員は,ハラスメントの被害を受けたとする者が選択することができる。
4 ハラスメントの被害を受けたとする者は,相談員の同意を得て,面談による相談の場に,1人の教職員又は学生等を付添人として同行することができる。
(1) 他の教職員,学生等及び関係者がハラスメントをされているのを見て不快に感じた教職員,学生等及び関係者
(2) 他の教職員及び学生等,並びに関係者からハラスメントをしている旨の指摘を受けた教職員及び学生等
(3) ハラスメントに関する相談を受けた監督者等
(任務)
第9条 相談員の任務は,次の各号に掲げる事項とする。
(1) ハラスメントの被害を受けたとする者又は第三者等から事実関係等について聴取すること。
(2) ハラスメントの被害を受けたとする者又は第三者等に応急的な助言等を行うこと。
(3) この規程に基づくハラスメントの排除のための措置及びハラスメントに起因する問題が生じた場合に対応するための措置に関する手続等を,ハラスメントの被害を受けたとする者及び第三者等に説明すること。
(4) 相談内容等を記録し,人権委員会委員長に報告すること。
2 相談員の任務には,ハラスメントの行為者とされた者及び当該事案に関係する者から事実関係等について聴取することは含まれない。
3 人権委員会委員長は,前項に規定する委員会を設置したときは,委員会の設置について,学長に報告する。
(組織)
第11条 委員会は,次の各号に掲げる者をもって組織する。
(1) 人権委員会委員長
(2) 人権委員会副委員長
(3) 人権委員会委員長が指名した人権委員会委員 1人
2 委員は,複数の事案の委員会の委員を兼務することができる。
(運営)
第12条 委員会に委員長及び副委員長を置く。
2 委員長は,前条第1項第1号の委員をもって充てる。
3 副委員長は,前条第1項第2号の委員をもって充てる。
4 委員長は,委員会を招集し,議長となる。
5 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときは,委員長の職務を代行する。
6 委員会は,2人以上の委員の出席がなければ議事を開き,議決することができない。
7 委員は,代理者を出席させることはできない。
8 委員会の議事は,出席した委員の過半数で決する。
(調査)
第13条 委員会は,必要と認めるときは,当該事案の相談員から,事実関係等及び助言等の内容について,聴くことができる。
2 委員会は,必要と認めるときは,ハラスメントの被害を受けたとする者,ハラスメントの行為者とされた者,第三者等及び当該事案に関係する者から,事実関係等について,聴取することができる。
3 第8条第5項に規定する第三者等からの相談については,委員会は最初に,ハラスメントの被害を受けたとする者から,事実関係等について聴取する。
4 ハラスメントの被害を受けたとする者,ハラスメントの行為者とされた者,第三者等及び当該事案に関係する者は,委員会の同意を得て,聴取の場に,1人の教職員又は学生等を付添人として同行することができる。
5 委員会は,必要と認めるときは,専門的知識を有する教職員及び学外の専門家から意見を聴くことができる。
6 委員会は,必要と認めるときは,調査の過程において,事態の改善を図るため,応急的な措置を講じることができる。
7 委員会は,必要と認めるときは,調査の過程において,ハラスメントの被害を受けたとする者とハラスメントの行為者とされた者を調停することができる。
8 ハラスメントの被害を受けたとする者,ハラスメントの行為者とされた者及び第三者等は,調査の進捗状況について,委員会に説明を求めることができる。
(調査の終了)
第14条 委員会は,次の各号のいずれかに該当する場合は,調査を終了する。
(1) 委員会の調査が完了したとき。
(2) ハラスメントの被害を受けたとする者から調査の打切りの申出があったとき。
(3) 前条第7項に規定する調停が成立したとき。
3 委員会は,原則として,委員会が設置された日から3月以内に調査を終了するように努めなければならない。
2 人権委員会は,調査の結果及び判定等に係る原案が適当であると認めたときは,学長に報告する。
3 人権委員会は,調査の結果及び判定等に係る原案が適当であると認めないときは,理由を付して,再度の調査又は原案の作成を指示することができる。
(措置等の決定)
第16条 学長は,ハラスメントの事案について人権委員会から報告を受け,当該事案がハラスメントに該当するか否かの判定を行い,判定の内容及び理由を,ハラスメントの被害を受けたとする者及びハラスメントの行為者とされた者に説明する。
なお,第8条第5項に規定する第三者等には,判定の内容及び大学として必要な措置を講じることを説明する。
2 学長は,当該事案がハラスメントに該当すると判定したときは,ハラスメントの被害を受けた者の就労上又は修学上の環境の改善及び不利益の回復,並びにハラスメントの行為者に対する指導,懲戒等に関し必要な措置を講じる。
3 ハラスメントの被害を受けたとする者及びハラスメントの行為者とされた者は,第1項の規定に基づき説明を受けた判定の内容及び理由について不服があるときは,説明を受けた日から2週間以内に限り,学長に異議を申し立てることができる。
(不利益取扱いの禁止)
第18条 教職員及び学生等は,ハラスメントに関する相談の申出,当該相談に係る調査への協力その他ハラスメントに関して正当な対応をした教職員又は学生等に対し,そのことをもって不利益な取扱いをしてはならない。
(附属学校の生徒,児童及び幼児に対する配慮)
第19条 附属学校の生徒,児童及び幼児への適用に当たっては,これらの者の心身の発達段階等を考慮し,実状に応じた適切な配慮を行う。
2 附属学校の長は,ハラスメントの防止及び排除のため,附属学校の教職員に対し,生徒,児童及び幼児の心身の発達段階等を考慮した内容の啓発活動を行わなければならない。
(雑則)
第20条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な事項は,別に定める。
(事務)
第21条 この規程に基づくハラスメントの防止等に関する事務は,総務部総務企画課及び教育研究支援部学生支援課が処理する。
附則
1 この規程は,平成16年4月1日から施行する。
附則(平成17年3月31日)
この規程は,平成17年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月8日)
この規程は,平成18年4月1日から施行する。
附則(平成20年3月11日)
この規程は,平成20年4月1日から施行する。
附則(平成23年3月14日)
この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附則(平成26年2月28日)
この規程は,平成26年4月1日から施行する。
附則(平成28年1月13日)
1 この規程は,平成28年4月1日から施行する。
2 この規程施行後第6条第2項第1号から第5号までの規定に基づき最初に任命された相談員の任期は,同条第3項の規定にかかわらず,学長が定める。
附則(平成29年2月2日)
この規程は,平成29年4月1日から施行する。
附則(平成31年2月12日)
この規程は,平成31年4月1日から施行する。
附則(令和2年3月11日)
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附則(令和4年1月21日)
この規程は,令和4年1月21日から施行する。
附則(令和5年3月31日)
この規程は,令和5年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月15日)
この規程は,令和6年3月15日から施行する。