○国立大学法人兵庫教育大学職務発明規程
平成17年3月9日
規程第3号
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,国立大学法人兵庫教育大学(以下「本学」という。)の教職員等が行った発明等の取扱いについて規定し,その発明者等としての権利を保障し,発明等の奨励及び研究意欲の向上を図ることを目的とする。
(1) 「教職員等」とは,役員,教職員,学生,共同研究員,受託研究員その他本学の教育・研究に携わる者をいう。
(2) 「職務発明」とは,教職員等が,本学の研究経費若しくは公的に支給された研究経費を使用して本学において行う研究又は本学の施設を利用して行う研究等に基づき行った発明をいう。
(3) 「発明等」とは,次に掲げるものをいう。
ア 特許権の対象となる発明
イ 実用新案権の対象となる考案
ウ 意匠権の対象となる意匠の創作
エ 回路配置利用権の対象となる半導体集積回路の回路配置の創作
オ 育成者権の対象となる品種の育成
カ 著作権の対象となるプログラムの著作物及びデータベースの著作物(以下「プログラム著作物等」という。)の創作
キ ノウハウ(秘匿することが可能な技術情報であって,かつ,財産的価値を有するものをいう。)の対象となる案出
(4) 「発明者等」とは,発明等を行った教職員等をいう。
(5) 「知的財産権」とは,次に掲げるものをいう。
ア 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権,実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権,意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権,半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権及び種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利(以下「特許権等」という。)
イ 特許法に規定する特許を受ける権利,実用新案法に規定する実用新案登録を受ける権利,意匠法に規定する意匠登録を受ける権利,半導体集積回路の回路配置に関する法律に基づき回路配置利用権の設定の登録を受ける権利及び種苗法に基づき品種登録を受ける地位並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利(以下「特許等を受ける権利」という。)
ウ 著作権法(昭和45年法律第48号)に規定するプログラムの著作物及びデータベースの著作物の著作権並びに外国におけるこれらの各権利に相当する権利
エ ノウハウのうち,学長が指定する権利
第2章 発明
(発明の帰属)
第3条 職務発明に係る特許を受ける権利は,原則として本学が承継し,本学に帰属するものとする。
2 学生が,教職員の指導の下で行った発明は,契約により発明に係る特許を受ける権利を本学に帰属することができるものとする。
3 本学が受入れた研究員等が行った発明に係る特許を受ける権利の帰属の取扱いは,受入れの際に契約書等で定めるものとする。
4 役員又は教職員が他の機関の研究者と共同で研究を行った結果生じた発明に係る特許を受ける権利は,発明の寄与度に応じた割合で按分し,当該役員及び教職員の持分については,本学が承継し,本学に帰属するものとする。
(届出)
第4条 教職員等は,職務発明を行ったときは,別に定める発明届出書により,学長に届け出るものとする。
2 前項の届出は,可能な限り研究成果の公表(学会発表,専門誌への投稿,報道発表等)の前に行うものとする。
2 学長は,前項の決定を行ったときは,当該教職員等に通知しなければならない。
(任意譲渡)
第6条 学長が職務発明に該当しないと決定した場合に,当該教職員等から当該発明に係る特許を受ける権利を本学に譲渡する申し出があったときは,学長は,知的財産管理室の意見を聴いた上で,当該特許を受ける権利の承継の可否を決定する。
(譲渡証書等の提出)
第7条 前2条の規定に基づき,本学が発明に係る特許を受ける権利を承継することを決定したときは,当該発明を行った教職員等は,速やかに,別に定める譲渡証書及び特許出願に要する書類を学長に提出するものとする。
(制限行為)
第8条 教職員等は,学長が当該発明を職務発明でないと決定し,又は職務発明であるがその権利を本学が承継しないと決定した後でなければ,出願をし,又は特許を受ける権利を第三者に譲渡できないものとする。
(発明補償)
第9条 学長は,発明に係る特許を受ける権利を本学に譲渡した教職員等に対し,知的財産管理室の意見を聴いた上で,次の区分による補償金を支払うものとする。
(1) 本学が承継した特許を受ける権利に基づき,特許出願をしたとき 出願補償金
(2) 本学が承継した特許を受ける権利に基づき,特許権を取得したとき 登録補償金
(3) 本学が所有する特許権の運用等により収益を得たとき 実施補償金
2 前項に規定する補償金に関し必要な事項は,別に定める。
(共同発明者に対する補償)
第10条 前条の補償金は,当該補償金を受ける権利を有する教職員等が2人以上あるときは,発明の寄与度に応じた割合で按分するものとする。
(転退職者又は死亡したときの補償)
第11条 前2条の補償金を受ける権利を有する教職員等が退職,転職,卒業,修了,退学等をした場合においても,在職中又は在学中に行った発明については,補償金を支払うものとする。
2 前2条の補償金を受ける権利を有する教職員等が死亡した場合には,相続人に補償金を受ける権利を付与するものとする。
第3章 実用新案,意匠,半導体集積回路の回路配置及び植物の新品種
第4章 プログラム著作物等
(プログラム著作物等の届出)
第13条 本学の研究経費若しくは公的に支給された研究経費を使用して本学において行う研究又は本学の施設を利用して行う研究等に基づき作成したプログラム著作物等のうち,公表することにより,より一層の研究の進展及び社会貢献に資するものについては,その運用をプログラム著作物等を創作した役員又は教職員に委ねるものとする。ただし,プログラム著作物等を収益事業のため産業利用を図る場合には,当該プログラム著作物等を創作した旨を学長に届け出るものとする。
(プログラム著作物等に係る著作権の帰属)
第14条 プログラム著作物等の帰属は,次のとおり取扱うものとする。
(1) 本学の発意に基づき,役員又は教職員が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は,その作成時における契約,就業規則その他に別段の定めがない限り,本学とする。
(2) 前条ただし書により届出のあったプログラム著作物等については,プログラム著作物等を創作した役員又は教職員と協議のうえ,契約により著作権を本学に帰属することができるものとする。
2 学生が作成したプログラム著作物等の著作権については,契約により本学に帰属することができるものとする。
3 本学が受入れた研究員等が作成したプログラム著作物等に係る著作権の帰属の取扱いは,受入れの際に契約書等で定めるものとする。
第5章 ノウハウ
(ノウハウの指定)
第16条 産業利用を図るノウハウの指定は,当該ノウハウの案出者と協議の上,行うものとする。
(ノウハウの帰属)
第17条 役員又は教職員が案出し,前条の規定により指定されたノウハウに係る権利は,本学に帰属するものとする。
2 学生が案出したノウハウに係る権利は,契約により本学に帰属することができるものとする。
3 本学が受入れた研究員等が案出したノウハウに係る権利の帰属の取扱いは,受入れの際に契約書等で定めるものとする。
第6章 知的財産権の管理
(管理)
第19条 本学における知的財産権の管理は,知的財産管理室が行う。ただし,プログラム著作物等の著作権,回路配置利用権及びノウハウの管理は,創作者又は案出者が行うものとする。
第7章 知的財産権の利用・活用
(特許等を受ける権利に係る出願・権利化)
第20条 本学が承継した特許等を受ける権利に基づき,特許権等を取得するための出願をすることの是非については,学長が決定する。
2 学長は,本学が承継した特許等を受ける権利の権利化に際し,産業界等での実用化の推進を図るため,技術移転機関の起用を含め適切な出願手段等を選択するものとする。
(知的財産権の処分)
第21条 本学が所有する知的財産権のうち,産業界等での利用活用の展望が開けない等の理由により処分するものについては,知的財産管理室の意見を聴いた上で,学長が決定する。
2 前項の規定による決定があった知的財産権については,別に定める申出書による発明者等の申出により無償で当該発明者等に返還することができる。
(企業等への優遇措置)
第22条 企業等における知的財産権の利用・活用を円滑に行うため,専用実施権の設定等を含め,企業等への独占的実施権の許諾及び先行する実施権者に対する最恵待遇の配慮等を行うものとする。ただし,当該企業等が適切な実施を行わない場合は,本学の公共性を考慮し,独占的実施権を解消すること等の対処ができるものとする。
第8章 共同研究及び受託研究
(特許等を受ける権利の帰属)
第23条 共同研究及び受託研究の研究成果による発明等に係る特許等を受ける権利は,当該発明等をした者の所属に基づき帰属を決定することを原則とする。ただし,産業界等での実用化・事業化を推進するため,企業等との協議の上,特許等を受ける権利の譲渡を含め,対応するものとする。
(発明等の使用による収益の還元)
第24条 本学の発明等の使用については,本学の知的貢献を含め,企業の発明等の活用による収益の還元を得ることを原則とするものとする。
第9章 知的財産管理室
(設置)
第25条 本学に,知的財産権の創出,保護及び活用を実効性のあるものとし,関係する事務を適切かつ迅速に処理するため,学長の下に知的財産管理室を置く。
(任務)
第26条 知的財産管理室は,次の各号に掲げる業務を行う。
(2) 知的財産権の活用に関する事項
(3) その他発明等の取扱いに関し必要な事項
(4) 国立大学法人兵庫教育大学研究成果有体物取扱規程(令和5規程第2号)第6条第1項に規定する学長の諮問事項及び成果有体物の取扱いに関し必要な事項
(組織)
第27条 知的財産管理室は,次の各号に掲げる者をもって組織する。
(1) 室長
(2) 室員
2 室長は,副学長のうち学長が指名した者をもって充てる。
3 室員は,次の各号に掲げる者をもって充てる。
(1) 専攻長
(2) 財務課長
(3) 環境マネジメント課長
(4) 研究推進課長
(5) その他学長が指名した者
4 前項第5号に掲げる者の任期は,指名に際し学長が定める。
5 室長は,知的財産管理室の業務を統括する。
6 室員は,知的財産管理室の業務を処理する。
(運営会議)
第28条 知的財産管理室の業務運営に関する事項を審議するため,知的財産管理室に運営会議を置く。
2 運営会議は,室長及び室員(以下「構成員」という。)で構成する。
3 運営会議に議長を置き,室長をもって充てる。
4 議長は,必要に応じて運営会議を招集し,これを主宰する。
(議事)
第29条 運営会議は,構成員の3分の2以上の出席がなければ,会議を開くことができない。
2 議決を要する事項については,出席者の半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる。
(関係者の出席)
第30条 運営会議は,関係者に出席を求め,意見等を聴くことができる。
第10章 秘密の保持
(秘密の保持)
第31条 知的財産管理室の構成員及び関係者は,発明等の内容その他に関する事項について秘密を守らなければならない。
第11章 異議申立て
(異議申立て)
第32条 発明等の届出をした教職員等は,第5条第1項の決定に対し異議のある場合は,決定の通知を受けた日から起算して2週間以内に学長に対し,別に定める申立書により異議を申し立てることができる。
2 学長は,前項の申立てがあったときは,知的財産管理室の意見を聴いた上で,その当否を決定する。
3 学長は,前項の決定をしたときは,当該教職員等に通知する。
4 異議申立てを行った教職員等は,第2項の異議申立てに対する決定については,再び異議申立てを行うことはできないものとする。
第12章 雑則
(書類の様式)
第33条 この規程の実施に必要な書類の様式は,別に定める。
(事務)
第34条 この規程に基づく事務処理及び知的財産管理室に関する事務は,関係各課の協力を得て,教育研究支援部研究推進課が処理する。
(雑則)
第35条 この規程に定めるもののほか,発明等の取扱い及び知的財産管理室に関し必要な事項は,別に定める。
附則
この規程は,平成17年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月8日)
この規程は,平成18年4月1日から施行する。
附則(平成22年11月30日)
この規程は,平成22年12月1日から施行する。
附則(平成23年3月14日)
この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附則(平成29年6月30日)
この規程は、平成29年7月1日から施行する。
附則(令和5年2月10日)
この規程は,令和5年2月10日から施行する。