カリキュラムマネジメントとは学校教育の目標を達成するために,組織的・計画的に教育活動の質を向上させていくことで,本コースでは特に理数系教科に関するカリキュラムマネジメントを念頭においています.そのために,理数系教科マネジメントコース(数学分野)では,教科専門(数学)と教科教育(数学教育学)の融合に力を入れています.
数学の内容学分野の方針:「教材の探究力」
大学院での専門の数学というとしり込みしてしまうかもしれませんが,私たちが教育実践高度化専攻の下で考える教科専門は,少し違うものかもしれません.私たちは「教材の探究力」を重視したいと考えます.ここでいう探究とは、理学部等における「数学の研究」とは色彩が異なるものでなければなりません.ここで求められる探究は、教員として学習者の視点をトレースする探究です.本来、数学という学問は、それ自体が高度な体系性を持っています.しかし、カリキュラムマネジメントや新たな授業の開発のためには、学問としての系統性は従であり、学習者の認識のなかでの系統性が主となります.そのようなニュアンスを込めて,本コースでは「教材の探究力」という言葉を用います.
そのために必要以上に高度な知識は要求しませんが、数学に対する興味・関心の高さや、興味を持った題材に対する探究的態度が重要です.既存の教材をもとに、発展させてみたり、新たな問題を考えてみたり、教材周辺の新たな知識を探索することに貪欲であることを願います.そこから出てくる話題は、新たな教材の豊富な源泉となります.
数学教育学分野の方針:「数学教育学の理論と実践」
数学分野では,学生・院生が算数・数学の授業に関する実践力・開発力を身につけることを目指していますが,その際には,これまでの先行研究や実践等から学び,授業を創造し,他者とのコミュニケーションによってそれらを高め合っていくという,理論にも裏打ちされた授業実践力・開発力をめざします。したがって,以下の力を育成することが必要です.